『淡の間とわたし』
第13話
ecume de mer 前田夏子さん × 淡の間
淡の間が「いま話を聞いてみたい人」を毎回ゲストに呼び、対談を進めていくマガジン『淡の間とわたし』シリーズ。5回目となる今回のゲストは”ecume de mer”主宰の前田夏子さん。二人の関係性やアーユルヴェーダのお話、夏子さんのクリニック時代のお話や淡の間が気になる ”夏子さん流・早寝のコツ” など。ここでしか聞けないふたりだけのプライベートなおしゃべりをどうぞお楽しみくださいませ。
A:淡の間
M:前田夏子さん
A:夏子さん、こんにちは
M:よろしくお願いします。
A:今日はインタビューを受けてくださってどうもありがとうございます。夏子さんとはよくInstagramのDMやLINEもしてるから改めてこうやって話すとちょっと面白い。でもその度に「これがこのままインスタライブになってたらいいのに」とか「これがそのまま何かの形になればいいのに」っていうぐらい、個人的にすごく興味深いことを話していることが多くて。
M:なんか嬉しい〜
A:そこには2人だけじゃなくて、千春さんもいたりするんだけど。
M:うん、そうね。
A:でも今回は2人なので、夏子さんにスポット当ててちょっといろいろ聞いていきたいと思います。まずはインタビューの前に”22の質問”ですね。答えてもらってありがとうございました。夏子さんも人にカウンセリングをする側だから人の分析をすると思うけど、こういう風に自分の分析することって、新鮮な感じですよね。
M:新鮮で楽しかったです、答えてて。
A:本当?よかった。どの質問が一番面白かった?
M:ええっとね、なんだっけな。
A:印象に残ってる質問とかある?
M:自分が忘れっぽいから、ちょっと待ってね。なんだろうなあ。結構どれも楽しく答えていったんだけど。
A:”2022年版夏子”って感じだよね?家での過ごし方とかは特に。
M:そうそう。2022年版の夏子ですね。基本ぼんやりしてます。
A:自分の状態を観察しながら、常に変化したり、調整している人だからこそ、ずっと続けていることとそうでないことがたぶんあるんだろうなと思ったのね。その時の思考とか、その時自分が感じることとか、気になることが多分常に移り変わっているから、去年、今年、そして来年でもインタビューをした時期で方向性とか関心のあることが違うだろうなと思って。
M:違うだろうなあ。生活習慣のところだけは多分何年もおんなじことをやってるんだけど、アーユルヴェーダで「いのちの本質は成長」って言われるように、どこかいつも“新しいもっと楽しい生き方”について考えてるから多分毎年違うのかなあ。あとは自分にとって、瞑想っていうものとか神経系を休めるっていう観点が結構あったかなって書いてて。買ってよかったもの、だっけ?
A:あ、BOSEのイヤホンの?
M:「ノイズキャンセリング」機能は秀逸。どこでも瞑想できるし、聴覚からの刺激を遮断して神経を乱さないことだったりとか、早寝してご機嫌でいれるとかって、結局全部神経系を労ってるっていうこと。もうこの辺ってやっぱり自分にとってすごく大事にしてることなんだなあとかは改めて。
A:うんうん、そうなんだよね。実は私はどうしても早寝ができなくて12時過ぎちゃう。
M:ですよね。私もありますよ、よく。
A:だから早寝のコツを聞いてみたいと思いました。夏子さんに。
M:あのですね、早寝はやろうと思ってすぐできるようになるものじゃなくて。だんだん、30分ずつとか、15分ずつ早めていって、早寝にしていくっていうのが一番定着しやすいです。
A:うん、なるほどね。そうですよね。
M:やっぱりいきなり2時間も早くお布団に入っても寝付けないから、15分ずつやる。そして、朝早く起きる。たぶん最初つらいんだけど、朝早く起きれると眠くなるから、入眠しやすくなる。
A:たしかにね。早く起きれば自然とそうなりますよね。
M:だから頑張って1回早く起きると、切り替えられるかな。
A:確かに。頑張って早く起きるっていうのはすごく大事なことかも。
M:そうそう。でもなんかふきちゃんは早起きしてるイメージ。遅寝早起き、みたいなイメージがある。
A:いや、そんなことないんですよ。私にはすごく正確な体内時計があって、体の中に。それが何かっていうと、何時に寝てもその8時間後に起きるっていう体内時計なんで。
M:ええ、すごいね。
A:あ、でもそれが最近9時間になってて。
M:すごくいいと思う。
A:いや、よくないんです全然。だから、1時に寝たら10時に起きるし。早く起きたいんですけど、全然起きれないんです、最近。
M:多分ね、早寝すると、22時から2時の間って神経系がやっぱり休まりやすい時間だから。その1時に寝て9時に起きるのと、11時に寝てその9時間後に起きるのはたぶんね、脳の疲れの取れ方が違うから。睡眠時間がちょっと短くても、スッキリしてるとかっていう風になるから。やっぱり早寝っていうのはね、すごく大事なんですよ〜。当たり前なんだけど。
A:何時に入眠するのがいいですかね?
M:アーユルヴェーダでは、理想は10時半って言われてる。
A:22時半ってことね。
M:そう。それでなんとなく23時ぐらいで、0時はやっぱり絶対過ぎちゃダメですよね。だから23時半ぐらいまでには寝れた方がいい。22時半に寝続ける、あるいは22時ぐらいに寝るの続けてるとめっちゃ頭クリアになります。多分仕事効率とかもすごく良くなります。
A:(仕事効率を)あげたいな〜。
M:ふきちゃんもう充分効率いいからさ。
A:良くないんだよ!
M:「これ以上どこまで行くの?」って思ってるよ。
A:もう本当に、本当によくない。
M:嘘?
A:本当。
M:うーん。そうかな。なんかでも早寝した時はやっぱり時間がいろんなことに使えるっていうのがあるし。
A:1日が長くなっていいですよね。
M:もう1日が長いし、消化力も上がるから。腸内環境とかも整う。
A:ですよね。いいことしかないわけですね。
M:いいことしかないの。排泄も整ったりするしね。
A:私はもう今の話聞いてたら「早寝しかないな」と思ったね。
M:うん。あと、顔色も変わってきます。当たり前だけど、消化が整うってことは代謝が整うので肌艶も良くなってくるとか。やっぱりそういうのもある。
A:凄いこれ。早速実践します。何とか頑張ってみよう。
M:あとね、ネガティブ思考になりにくくなったりもしますね。ポジティブ思考になると、受け取り方も変わるから、世界の見え方も変わってきて。
A:身体がやっぱり生命力が高くなるからですよね、きっと。
M:うんうん。ですです。
A:今の私はね、早くて24時、遅くて24時半から1時って感じなんですよね。
M:ああ、そうなんだね。早くて24時か〜。寝る前の時間って何してる?
A:寝る前の時間はストレッチをしています。最近の私の流れは22時過ぎたらなるべくお風呂に入って、23時くらいからだいたいストレッチとかを始めて。一緒に住んでる人がいるんだけど、彼はnews zeroが見たいんですよ。
M:うんうん。(それを見ないと)1日が終わらない的なね。
A:news zeroを見てから寝るっていう生活リズムの人と一緒にいるから何となく私も見てから寝るようになってしまったんですよね。
M:うんうん、なるほどね。
A:でも疲れてると気は自然に向こうが早く寝るから私も早く寝るんだけど。だから逆算して22時くらいにお風呂に入らないとnews zeroまで眠れないんですよね。
M:お風呂その時間に入って目冴えちゃったりってことはないですか?
A:でもねえ、なんかその原因説もあるのかなとか思うようになってきました。これまではお風呂入ると副交感神経が優勢になるのかなとか思ってたんだけど。
M:うんうん。なんかね、アーユルヴェーダだとね、入浴は21時までって言われてるんだよね。
A:そうなんだね。
M:それはピッタという「火の質」がね、やっぱり体が温まると、それが上がって「覚醒」の質を持つから入眠しづらくなるという考え方をしているんだよね。
A:確かにね。
M:睡眠に向かいづらくなるっていうのはあるから、私も湯船は21時までで、比較的夜はシャワーでさっと入ってお風呂ゆっくり入るのは朝にしてます。朝の半身浴。
A:なるほど、そっか。じゃあもう21時過ぎちゃったらシャワーにしといて、朝入ったほうがいいと。
M:そうそう、それで21時以降はやっぱり体温めるのもそうだし、スマホ見るのとかも。
A:やっぱりそうなんだ〜。
M:だからスマホとかテレビとかっていうのも21時を過ぎたらちょっと控えていく。だんだんフェードアウトしていく。まあでもニュース見て寝るっていうのがあるんだもんね、、
A:いや、もう辞めたいんだよね本当。
M:ずっとインスタとかその時間見てると割と覚醒モードになっちゃう。
A:そうだね。惰性で情報を寝るまで入れるっていうのを本当にシャットアウトしないと難しいことかもしれないですね。
M:(淡の間が)すごいメモ取ってる。えらい、すごい〜(笑)
A:ありがとうございます。じゃあそろそろ本題に行こうかな(笑)今日夏子さんとインタビューをする目的は、これからスタートするオンラインサロンについてのこと。それについては私がずっと温めてきたプロジェクトで、皆さんの中にある”内側”と”外側”が繋がる扉を開けるっていう意味で ”open the door” って言うタイトルでありコンセプトですです。その場所では、いわゆるスピリチュアル(霊性)にまつわる部分と現実世界のことの両方学べるっていう場所にしたいから、それに伴って私が面白そうだなと思った人とか学びたいと思ったこととか、お話を聞いてみたいって思った方をお招きして、どんどん内容が充実した場所にしていけたらいいなと思ってるんです。スピリチュアルとは言っても、形のない物が形として存在するのは不思議ですよね。私たちがここに生きていることって、この身体があってこそ成り立つものじゃないですか。だから身体、そして心、そして魂とどう向き合うかっていう部分、つまり霊性の部分と現実的な部分を両方重要視することが絶対に避けられないことだと思ってて。私はシュタイナーの人智学からのアプローチでいろいろ勉強してるんですけど、今の自分の範疇ではシュタイナーについての研究をどれだけやってても身体のケアまでは至らないような気がしていて。だから、健康の部分に特化したケアっていうのは、どこか医学的なアプローチが必要だと思ってるんですよね普段の私は体の調子が悪いときは結構漢方を取り入れたりするんだけど、その他に興味があるのがアーユルヴェーダということで、やっぱりじゃあ「アーユルヴェーダは夏子さんでしょう」と思いまして。
M:ありがとう〜〜〜!
A:そう思ってお声掛けしたんです。他にも極めていらっしゃる人はいると思うけれど、夏子さんと言ったらアーユルヴェーダ、アーユルヴェーダと言ったら夏子さんっていう構造が私のなかには既にある。SNSで同じように夏子さんをフォローしてくださってる方もそうだと思うし。では、夏子さんにとってのアーユルヴェーダとの出会いとか、アーユルヴェーダを通して、どんなことがあったのかを改めて聞いてみたいなと思ったんですよ。
M:アーユルヴェーダとの出会いは、私はもともと出版社で働いていて、モードファッション誌の仕事をしていてたんですけれど、結構やっぱり忙しくて。元々わたし、心が弱かったんです、すごく。大学生の時とかも何度も病んでたこともあるし、軽い鬱を繰り返してました。不眠症など色々不調があって、心がいつも不安定で生きづらさしかなかったんですよね。そんなで出版社なんかで働いているもんだから、メンタルグラグラなのがベースで。それで身体を壊す、心も同時に。塞がってる感じになってしまって。その時に出会ったのが、その後勤めることになる蓮村誠先生の連載の記事を、働いていた会社のオンラインサイトの連載で見つけました。それを読んだときにすごく感動して。心が弱かったことに対して、身体からのアプローチがあって、結果心が調う、というのに目から鱗でした。なんて言うのかな?心と身体って別々だと思って苦しんでいました。
アーユルヴェーダはそこをひとつにしていく医学で、さらに「心地よさを追求する」ことを大切にして、生きやすさ、身体の免疫と、心が強の強さの繋がり、そして身体が本当に整うと、心がしっとりしてくる、柔らかくなってくるとていう知識もあって。「今までの答えが全部ここにある」ってビビっと来ました。生きるうえで「もっと心地よさを目指していい」「幸せになることができる」そういう知識が、医学体系としてありました。頑張らないと幸せって手に入らないと思ってたけど、アーユルヴェーダはそうではなかった。「人生の目的は、みんな幸せを大きくしていくこと」。「命の本質は成長していくこと」と命について定義されていて。「幸せに生きていく」ための知識が医学として、存在していた。そもそもが医学でありながら、目指すのは「人間が幸せに生きること」を掲げてるっていうところにすごく魅力を感じました。精神性や人間がどう生きていくのか、どう幸せになるのかまで説いている医学だっていうことに本当に感動したんです。アーユルヴェーダが扱うのは人間が密接に関わっていくあらゆるもの。それは人と環境もそうだし、人と仕事など、あらゆるものとの関わりに関する知識体系、それが医学になっている世界にものすごく惹かれていきました。命の意味とか、命の役割すらも、その人の健康、その人の幸せに関わっていくという医学的アプローチってすごい!!となりました。そこからどっぷり、ハマッていってしまいました。なんか、やっぱり私自身が、自分をすごく無理をさせて生きていたので。ありのままの自分に戻っていく、乱れを整える。それは心も身体も「自分に戻る」ことによって、見えてくる世界がその人にとっての幸せなんだよっていう考え方、そのものにすごく救われて。それでもうなんか、大学生の頃は哲学を超勉強してたんです。すごく病んじゃってたので。何とかして自分を生きやすくする答えがないかなっていつも何かを探していました。、その答えが「心地よさ」や「生きやすさ」にあるとは結びつかなくて。今思えば、当時はアーユルヴェーダ風に言うと、体調を乱すべく生活や乱すべく食べ物を食べて助長させてたってことも後から合点がいきました。アーユルヴェーダの生活、食事法を取り入れることで、劇的に心の変化があったんですよ。それで完全に目覚めたという感じでした。
A:はいはい、なるほどね。私が夏子さんに惹かれた理由をもう一度思い出した。私「アーユルヴェーダを学ぶなら」とか「アーユルヴェーダのアプローチをしてもらう」なら、「蓮村先生が良い」って思ってたんですね、ずっと。でもそうこうしてたら閉まっちゃったんですよ、先生のクリニックが。
M:そうそう。そうなのよね。
A:ガーンって思って。当時の私は蓮村先生のところに伺うことは、いろんな余裕が無くて叶わなかったんだけど、夏子さんは蓮村先生からの派生なんだと思って!そこがうれしかった。
M:うん、私も。先生に憧れてた人だったので、まさかクリニックに入社できるとも思わず。
A:じゃあ出版社を出てから蓮村先生のマハリシクリニックに転職したって経由だったの?
M:そうですそうです。先生のTwitterとか、ストーカーのように見てて癒されて、毎日救われてました。そんななか出版社で体調を崩して入院することになっちゃったんですよ。
A:ああ、大変。
M:それが自分の免疫が落ちることによって進行しちゃう病気で、あと一歩で癌になるみたいな。それで軽い手術もしたんですよ。そんなことがあったから、結構自分の生き方や、心の在り方を見直すタイミングになって。手術当日、点滴をカラカラ引きながら、先生のスタッフ募集ツイートを見つけて手術の直前にクリニックに電話しました。点滴カラカラひきながら(笑)
A:あはは。すいません~カラカラみたいな。
M:そう。それで面接が決まって受けて、みたいな感じです。
A:でも、それで受かったわけだもんね。
M:そう。もちろん何人か受けていて、面接の中に脈診もあるんですよ。
A:ええ!もう最初から脈を通して適性を見られてる、みたいな。
M:うん、見られている。多分そこで働くことがその子にとっていいのかどうかっていう部分もおそらく見てるんじゃないかな。
A:興味深い。。
M:それで無事受かって、入社することになりました。
A:なるほどね。マハリシではどのぐらい働いてたんですか?
M:結局働いてたのは1年だけなんですよ。
A:そうなんだ。
M:私、出版社で働いた後、クリニックに1年。で、出版社から「戻ってきてほしい」って言われて出版に戻ってるんです。1年の間に先生のところで学べることはもちろんたくさんあって講座や、毎日の診療のあとの先生のお話しとか。すっごくたくさん学びました。講座や本では聞けないことまでたくさん。でも、業務自体は事務で、もちろん患者さんと話したり、電話で処方をお伝えするなどはあったんだけど、やっぱり私は事務が向いてなかったんです。
A:あ、なるほどね。
M:というか、業務自体に引き込まれていかなかったんです。アーユルヴェーダの学びや、先生の教えてくれる世界にはのめり込んだのですが、毎日の業務の中では、やっぱり出版社での、たくさんのものが生み出されてゆく楽しさが何度も思い出されてしまったんです。私はプロモーションの部署にいたので、担当している媒体を広く知らせていくための見せ方やデザイン、企画の仕事をしてたので、毎日刺激的でとても楽しかったんです、雑誌も好きだったし、情報もいっぱい入ってきて、何かを作る、見せるっていうことが。忙しいけど楽しかったんですよね。体調を崩しちゃったから出来なくなっちゃったけど、出版界っていうものはやっぱりすごく好きだったし、未練もあったんですよ。毎日平和なクリニックで知識はたくさん学べるのは楽しかったけど、カルテの整理をしたりとか16時になったらスリッパを拭いて整頓して静かに1日を終えていくっていうのになんかちょっと、これまでの反動もあったのか(笑)違和感が生まれてしまったんです。なんていうのかな。「このままでいいのかな?」って。
A:これじゃない、みたいなね。
M:先生のことも大好き。アーユルヴェーダのことも大好き。学ぶことも大好き。だけど、「これでいいのかな」って。やっぱりちょっと平和すぎてしまったんです、毎日が。
A:でも、やってみないと分からないし、それこそが適性ってものですよね。
M:うんうん。だから、ヴェーダを学べたことはすごく大きかったし、その静けさの中で育まれた、覚醒したものは確実にあって。本当に、自分の命に目覚めた、って感覚はありました。でも、業務としてはやっぱり出版社の方が楽しかったっていう気持ちにも気づいてしまって。そしたら「全く同じポジションに戻って来ないか」って部長から連絡があって。
A:へえ。
M:もうそれで戻って行ったんですよ、その出版の方に。
A:あ、じゃあ出版から、マハリシを経ての、また出版って感じ。
M:そうなのそうなの。それでそこのクリニックで働いた1年、やっぱり神経系、心も身体も究極に休まって、瞑想も先生たちと毎日2回やってたのもあるから同じポジションに戻ったから、自分の仕事の出来のビフォーアフターがよくわかったんですよ。
A:なるほどね。
M:前は毎日残業3時間4時間してボロボロになってたんだけど、戻ったら何が問題かとか。さっさっさって分かるようになっちゃったんですよ。
A:すごい。
M:全然残業しなくても終わるようになっちゃったんですよ。むしろチームの課題に「こういう視点はいりませんか」とか提案もできるようになってしまって。前は、そもそも見えないし気づかないし、臆病で自信もなくて、自分の意見を言えるタイプじゃなかったんです。そうして見えてる世界が全く変わってたってことに気がついたんですよね。
A:すごい。
M:心も強くなってた、しなやかに「受け入れられることを知ってる」感覚になってました。
A:うんうん。
M:自分の心が守られている上で、怯えが何もなくなってたんですよね。今までちょっと怖気付いてしまってた接人たちにも、自分らしくそのまま振る舞っても傷つかないんだと思えたりとか。。自分の身体とこころにどんな変化があったかっていうのをものすごく感じることができた。
A:すごいね。それはものすごいお土産ですよね。
M:ねえ。びっくりしました。私、アーユルヴェーダに出会う前って頭の中が全部ぐちゃぐちゃだったんですよ。自分の想いも、考えなきゃいけないことも、優先順位も分からなかったの。だから、めちゃくちゃグチャグチャだったから相当不出来な人だったと思うんですよね。自分もすごく苦しかったし、それで。だけど、なんか戻ったら本当に全然違ったんですよね。
A:あれ、っていうね。
M:身体が整うと、こんなにクリエイティブになったり、頭がすっきりして効率が上がったり、なんか幸せだなあ、みたいな。
A:「あれ?」みたいな。
M:みんなもそのビフォーアフター見てますしね。だから、「あれ?なんかピカピカになって戻って来たね!」みたいな。産休だったと思っている人もいたぐらいで(笑)
A:1年だからそういうスパンも有り得ると。
M:もう「赤ちゃん産んだの?」みたいな。いや、ちょっと違うんですけど。そうなんですみたいな。
A:面白すぎる。もうそれはすごい、生きた体験ですよね。自分が実験台になったっていうか。ちょっと待って、それも含めてあとからホロスコープの説明するから!めちゃめちゃ面白いと思います。
M:本当に変わりました。なんか大学の友達とかに会うと、いまだに「別人だね」って言われます。
A:本当に!たくましい感じ?
M:なんか表情も柔らかくなったし、自分を持っているし、楽しそうだし、幸せそうって言われます。
A:だってinstagramをちょっと振り返って昔の写真と比べるだけで、今の夏子さんと全然違うもんね。
M:違うよね(笑)
A:全然違う。だからたぶん、当時のいわゆる大学生ぐらいと言ったら、もう10年以上前になるじゃないですか。もうそれたぶん違う人じゃんって思う。
M:なんかクリニックの入社時の写真とかもやばいです。先生が撮った写真を送ってもらって、びっくりした、こんな人よく採用したなって思うぐらい(笑)なんかくすみきってて。影があって(笑)。
A:でもさ、先生のすごいところは、当時の夏子さんの影とかその移ろいみたいなところじゃなくて、ちゃんとここで見てたわけでしょう、脈で。
M:脈でちゃんと見てくれてました(笑)
A:そこに先生の腕を感じるよね。
M:さすがです。本当に。
A:すごいですよね。いや、本当に。
『淡の間とわたし』第14話へつづく。