『淡の間とわたし』
第3話
きくちゆみこ × 淡の間
淡の間が「いま話を聞いてみたい人」を毎回ゲストに呼び、対談を進めていくマガジン。
文筆家のきくちゆみこさんを迎えて行われた対談も今週で最終週。今週は淡の間によるソーラーアークの話題から始まり、事前に頂いた「きくちゆみこさんから淡の間に聞いてみたいこと」にお答えする週。約1時間に及ぶZOOM対談も終盤です。どんな話が飛び出したのか、ここだけのふたりのお話をぜひお楽しみください。
きくちゆみこさん(K)
淡の間(A)
ゆみこさんの月は、太陽の成長とともにある
A「占星術の技法でソーラーアークってものがあって、生まれた時を起点に太陽の課題が流れていくわけよね、順番に課題をこなしていくの。ゆみこさんの場合、太陽が蠍座の後半度数に生まれているから蠍座の課題を終えて、射手座、山羊座、次に水瓶座と進んでいく。つまり、4ハウスっていう慣れ親しんだところから、7ハウスという日の目を浴びる場所、人前に出ていくっていうところに年齢を重ねるごとに課題がいくとするなら、本当の意味でのゆみこさんの月(7ハウス水瓶座)の影響はやはり太陽の成長と共にある気がするの」
Y「おーーー!」
A「蠍座としての性質が求める身も心も一体化する環境から、自分の世界を自分の意思で広げていく。その過程の中で自分の成功体験だったり、欠点を超えた自分の基礎をつくり、そこでようやく本当の意味で健康的に順応できるようになる」
Y「うーーーん!」
A「精神の成長とともに性質を育んでいくみたいなね。この成長のステップって人それぞれ色んな方法があると思うんだけど、とても大切だよね」
Y「大切だね。小さい時にはやっぱり、自分自身を本当の意味ではコントロールできる環境にはいなかったからつらかったんだと思う。でも、確かに成長は感じるね。いろいろあったけど、よくここまで頑張って生きてきたよねって(笑)人間関係にしても仕事にしても、人並みとは言えないけど、『よくここまでこれたね、だってあなた、それこそ元々の性質からしたら、引きこもって誰にも会わなくって、何もしないで閉じこもってる人生もあり得たでしょ!』って本気で思うの」
A「あり得たよね(笑)」
Y「(笑)まさに4ハウス、育った家から出ないままで。だからね、それを自分でも感じられることはやっぱり喜びだし、そういうことを書くことで、同じような性質を持っている人に『こんなわたしでも、大丈夫だったよ』みたいな、ごくごく小さな成長譚みたいなものを伝えられたらいいなっていうのはすごく思っていた。大人になったら、楽になるよって」
A「あー、やっぱり生きた体験っていうか、リアルな声って一番人を励ますよね。『この人も実はそうだったんだ!』みたいなさ(笑)」
Y「ほんとそうなんだよね。当然誰しもが歳を重ねるごとに変化していくものなんだとは思うけど、でもその中でも、自分の感じに合う人って限られていたりして。だからこそ、色んな人がそれぞれにささやかでも自分の成長譚みたいなを書き綴って、この先の誰かに伝えてあげるような、なんらかの道筋を残しておけたらいいなって。人類の知恵じゃないけどさ。そこにやっぱり生きてる意味があると思うんだよね。ほんとにみんな違う人間だから、人の数だけストーリーがあって。そういうことをみんなそれぞれに自分の仕事や活動を通じて、気づかないうちに誰かに伝えてる。それこそふきこちゃんはカウンセリングっていうお仕事でやってるしね。だから、ここで生きてる人たちみんなが生きているあいだにしているすべての行動には、ものすごく意味があると思っていて……そういうのを目の当たりにした時に感動する。みんなそれぞれ自分のやり方で、そういう大事なものをここに残していってるんだっていうのに気づいた時に、すっごく感動する」
A「わかる」
Y「だから本当にシンプルに、それをやって欲しいんだよね。『あなたが、あなたで』ここで何かをすることに多分ぜんぶ意味があるから。多分ふきこちゃんがみんなに望んでいるのもそれだよね」
A「そうなんだと思う」
Y「『あなたが、あなたで』できることを見つけて、ただやること。それこそ持って生まれた自我の役目っていうのかな。『自分の自我が求めることをを、自分がやりたいように全うできるのが自由』だってシュタイナーも言ってるよね。『自由に生きる』っていうのは、『自分のやるべきことを、自分が好きなようにできること』って」
A「そうなんだよね。本当にわかるよ。ゆみこさんの日記を読んでて強く感じたのは、パーソナリティが暴れてるって思ったの」
淡の間「ゆみこさんの日記は、パーソナリティが暴れてる」
Y「ふふふ(笑)暴れてる(笑)?それはどういう意味?」
A「パーソナリティが、なんか、こう…。反抗期ってあるじゃん?ていうか、反抗期ってあった?」
Y「反抗期はね、あったと思うよ、ちょこちょこ。」
A「うんうん。わたし自身はあんまり著しい反抗期はなかったような気がするんだけど」
Y「そうなんだね」
A「反抗期って、子どもの発育の中では信頼を確認する時期みたいで。この人たちはどんな自分でも受け入れてくれるのか?とか、自分の自我を反発する時期なんだって勉強したんだけどさ、そういう意味では(noteに日記を書いていた時)結構反抗期みたいじゃなかった?」
Y「(笑)確かにそうだったかもね!やりたいことを、やるべきことを自分のやり方でやらせてもらうように松樹たちに激しくアピールして、それを勝ち取るっていう感じだったかも。それを無理矢理にでも理解してもらって。で、その夏休みの3週間を勝ち得て(笑)」
A「ふふふ(笑)」
Y「確かにね」
A「20代くらいを超えると勝手に『大人』という定義になり更に歳を重ねて中年になって老年になってっていう歳の重ね方をしていくけど、何歳になろうと、中枢には、「リトル自分」がいる。私たちで言うと『リトルゆみこ』ないし『リトルふきこ』がいるの、内側の深い場所、ハートの中に。人生は「リトル自分」の成長と経験と共にあり、自分の純粋な血筋としての家族のことや、友人やパートナーを通して自分を省みたり共同体のようになったりするじゃない。血の繋がりがあろうとなかろうと自分の共同体のような人たちのことを純粋に信頼しなくちゃいけないんだとしたら、一回信頼を試す時期(反抗期)があってもわたしはおかしくないと思うの」
Y「そうだね」
A「そういう意味で、ゆみこさんの順応のための反抗期だったんじゃない?って今、喋ってて改めて思ったんだけどね」
Y「そうかも。あの時期がいちばん凝縮してたね、自分の意思みたいなものが。しかもそれを日記として毎日書いてた。結構赤裸々に。わかってもらいたいっていうのが大きかったんだろうね」
回りながら進んでく
A「そう。年齢として何歳であろうと、母親であろうと、どんな立派な学校、会社、何か功績を持っていようと、純粋なパーソナリティというか、体と魂の質って結局その人次第じゃない?物質的な何かをたくさん持ってたとしても。結局内側の質で勝負っていうか、人生はそこを育て続けるのが生まれてきた役割だからさ」
Y「本当にそうだよね。そしてこの円環を螺旋にして、段階をもうひとつ上げて、宇宙に帰っていくみたいな」
A「そうそうそう。螺旋のように回りながら進んでくみたいな。その成長に対して本来不要な物質的条件をつけちゃうとすごい苦しくなっちゃうよね」
Y「確かに。そうだね。物質的な条件ね」
A「そう。『女なのに』とか『男なのに』とかもそうだと思うんだよね」
Y「うん、そういう属性ね。本当にそうだと思う。でもそれが今は、少しずつ消えつつあるのは感じるよね。結局、変化するのはきっと宇宙だけじゃないんだよね。まず人の心が変わっていくことで、変えたいって思いをちゃんと発言していくことで、みんなのアピールによってようやく社会が変わっていって。水瓶座とか宇宙の采配だけにお願いしてるだけじゃなくて、自分たちが変わっていかなきゃだめだなっていうのはすごく感じてる。もしくはそういう変化に本当の意味で身を委ねられるか。人の思いってすごく大事だと思うんだよね。自分の意思を外の世界に伝えて、働きかけていくっていうのは、本当に大事なことなんだって」
A「本当ね。そうだよね。そういうこと一つ一つの大切なことを忘れちゃってひとつの部分しか見ないようになるとさ、一気にその成長の機会が失われちゃうんだよね」
Y「そうだよね」
A「そうですよね」
いま淡の間に聞いてみたいこと、そして淡の間から聞きたいこと
A「では最後にわたしから。『22の質問』の中の『淡の間に聞いてみたいことはありますか?』っていうところと、これはわたしから追加で『ゆみこさんがこれからの人生を共にしたいもの』。これについて聞いてみたい。物質的なものでもいいんだけど、何かがあるならこの2つを今回の対談インタビューの中で聞いてみたいなって思ってた。今のゆみこさんにとっての宝物って何?」
Y「宝物かあ。なんだろうね……やっぱり本かなあ。しかも一冊これっていうのじゃない。この家の中にある、この本たちこそが自分の財産だって思って生きてる気がする。それはなんというか、ここにある本はぜんぶ自分の選択の証なの。人生って選択に次ぐ選択じゃない?何を着ていく?とか、今日何食べる?とかもそうなんだけど。そういうことがわたし、うまく選べない時もあって。でも本に関しては、絶対間違えないんだよね。いつも、選んだものは間違ってないって思える。どんな本でも、読み終えることができないまま放っておいてる本も含めて、『これも出会いだな』って思えるのね。ここでわたしを囲んでる全ての本が、出会った瞬間の歴史を持ったまま一緒にここにいるというか。それが自分にとっては正しい感じがするというか、ポジティブな選択の集積としてここにあるんだなあっていうのをすごく感じる。それらに囲まれていることが、自分にとって大事な気がして。その集積こそが宝物っていうのかな。だからなかなか売ったりできないし、これからも増え続けていくだろうなって思うんだけど(笑)」
A「すごいね。なんか、4ハウス太陽蠍座って感じの回答だなって思った」
Y「えーっ!本当に!?(笑)」
A「そう。『自分を育んだルーツと共に生きていく』みたいな感じ」
Y「そうだね。そっか。しかもそれを家の中に置いておくっていうのがね」
A「ね。家の中で、自分の環境の中に共にある、みたいな感じがすごくするね」
Y「本は一度読み終わっても、何回でも読めるしね、自分と一緒に変化していくものでもある」
A「うん」
Y「歴史なんだよね、わたしにとっての。『History』っていうよりも『Legacy』っていう感じのもの」
A「そうだね。それを聞いてみたかったんだ、すごく。そっか、本ね。ゆみこさんの宝物」
Y「それ以外に大事なものって、正直ないかもしれない……もちろん、オンや松樹も大事だけど。でも人はね、それぞれ自分の意思を持って生きているから、わたしがどうこうするものでもないし。物だとしたらやっぱり本かな」
A「ありがとう。一冊って決められないもんね。『本』っていうくくりは壮大過ぎて」
Y「うーーーーん、そうだねえ」
A「ありがとうございます。ゆみこさんのお家には本棚がいっぱいあると思うのだけど、この並びが好きとか、この棚が今の自分の一番!ってある?」
Y「今わたしの目の前にある、そこの棚が自分の中で『神棚』だと勝手に思ってる。それこそ、『タオ自然学』とかシュタイナーの本とかあったり、いつも自分に前向きに働きかけてくるものたちがそこの棚にある」
淡の間が頭を捻った、ゆみこさんからの質問
A「あとわたし(淡の間)に聞いてみたいことっていうなんだけど・・・もう頭捻ったね、『日本がこれからどんな場所になっていくか』っていう答えが来て(笑)」
Y「そうなんだよ、わたしも最近考えてて、日本の役割って一体なんなんだろうって。もちろんわたしは、格差や移民問題なんかを考えると、そもそも国境なんてない方がいいんじゃないかって思ったりもするんだけど……でも今現状として日本というものがあって、なぜだかずっと続いてきていて、そして日本という国のイメージが色んな人たちの中にもあって。さらに日本語という固有の響きもあって、わたしもそのなかで生きていて。それを考えた時に、この国が持ってる宿命みたいなものがあるとしたら何だろうと。コロナ対策においてもそうだし、すべてがガラパゴス化しているようなこの国に、何の役目があるんだろうっていうのをすごく考えてしまう。シュタイナーも民族霊という存在がいると言ってるんだけど、どの民族にもそれぞれに働きかける固有の霊、天使みたいなのがいて、それが司る何かがあるとか。じゃあ、この国は世界に対して何を負ってるんだ?っていうのを考えちゃう。ナショナリスティックな問いじゃなくて、もっと磁場的なものっていうのかな。」
A「なるほど。うん。あくまでわたしの自分の世界観で感じることで話すね。普段から『自分の内的状態が外的世界に反映される』っていう前提で生きてるんだけど、今の日本の姿を見せてくるもの、要は集合意識の状態っていうのも、結局は自分の内側が見せてくることだとするよ。しっかり自己観察ができるようになると今の日本や世界の姿が今の私たちの現実をつくっている“集合意識の状態“だとすると、一回意識の状態を見てからホロスコープ的なことで答え合わせをする、みたいなことがすごく多いんだ。なんかさ、すごい迷ってない?日本。どっちにするの?みたいな、どっちつかずで、何がしたいかわからなかったり。行動とかも遅いよね」
Y「遅い遅い」
A「あとシンプルに信じられないよね、信頼性が欠けているっていうか。あとゆみこさんは今の日本にどんなことを感じる?」
Y「過去に囚われてる国だなーっては思う。歴史というか。それがとても重たいんだろうなこの国は、って思うんだよね。それが政治にも影響してたり。」
A「囚われてるよね。過去や歴史とか、いつどこで決められたからわからない常識みたいなことに囚われて、変化ができないんだよね。迷ってるとか、何がしたいかわかんないとか、遅いとか、信頼性に欠けるとか、囚われとか、常識とか変化とか、あらゆるものが出てきたんだけど、これ結局は全部「自分への信頼性に欠けている」からなの。丸ごと信じることはやっぱり怖いんだよね。恐怖。すごい怖いんだと思う」
Y「うん。変化への恐怖」
A「そうそう。変化への恐怖。良くなろうとも悪くなろうとも前に進むしかないんだけれどそれが怖くてどうしていいかがわからない。だから私のところにくるの人たちをカウンセリングして突き詰めていくとここが見えてくるんだよね」
Y「なるほど」
A「信頼の欠如。悪循環による滞り。変化したいって思ってるのに、すごくこわいの。」
Y「そっか」
変わりたいのに、変わりたくない人たち
A「そうそうそう。『変わりたい』『良くなりたい』って頭では思っているのに、結局怖いし、自分のことを信頼できない。自分のことを縛り付けている恐怖の対象、あるいは、何故一歩踏み出せないか?っていう原因が大事なんだ。で、集合意識というものが、意識の粒が重なって現実になっているんだとしたら、その現実を構成している一粒一粒って、“国“っていう集合体をつくっている私たちなの」
Y「そうだね」
A「そう。だから私たち一人一人の中にあるその恐怖心だったり、信じたくても信じられないみたいなものを底から取っていかない限りその集合体って絶対に良くならないと思ってて。だから、私が良くなるために国が変わってよ!っていうことじゃなくて、国という集合体を良くするために私たち一人一人が変わっていこうよってすごく思うの」
Y「ね、今、その粒の輝きみたいなのが見える状態になってきてるからね」
A「うん!そうそうそう」
Y「本当に入管法改悪が止められたのも嬉しかった!」
A「嬉しかった!わたしも!!ちゃんと叶うんだって。でもすごくない?去年からさ」
Y「札幌地裁の判決もね、同性婚訴訟の」
A「そうそうそうそう。裁判のこととかもそうだし、給付金だって去年最初は1万円って言ってたのに10万円になったし。今はないけど」
Y「1万円って(笑)」
A「何も言わなかったら1万円とあの布のマスクだったけど(笑)最終的に10万円くらいになったし、声を上げれば変わるんだっていう奇跡を去年からいろいろなところで見ててさ」
Y「本当に、変わるのを感じる」
A「ね!そうだよね」
Y「日本でも変わるんだ!みたいなのを感じるよね(笑)」
A「そうそうそう!だからわたしたちが迷ってる、わたしたちが怖いっていうことはわたしたちのトップも怖くて当然なの。『上にいるから優れてる』って思っちゃいけないんだよね、実は。同じだと思わないといけない」
今の私たちは、みんな「怖い」と思っている
Y「その人達のほうが、すごく色んなものがんじがらめで、恐れてて、たまに可哀想に思ったりする」
A「うん、重たいよね」
Y「重たい重たい。苦しいよ」
A「そうそう。悲しいけどね。今のわたしたち、みんな怖いんだよね」
Y「本当だね」
A「日本っていう国はさ、国境がないから比べようがない」
Y「うん、周りとね」
A「島国って言う特性なのか、そんなこと言ったら他の国も島国でなんとかやってるところっていうのはあるんだけど・・・・」
Y「確かに」
A「国という集合意識が具現化したモデルがあるとしたら、今の日本が過去の常識に囚われて一歩踏み出すことができない、すごくがんじがらめな可哀想な迷いのある状態だと言うこと。だからわたしたちの意識を責任持って省みましょうよ。一人一人が自分の過去から解放されて、自分の可能性を信じて、一歩踏み出すことで絶対に良い流れが波紋のように広がっていくと思うの。『WEの市民革命』ってあるじゃん」
Y「うんうんうん」
A「今集合意識を通して対峙していることは『私たち』っていう、本当の意味での共同体になっていくきっかけなんじゃないかなと思って。山羊座の土星と木星によって去年(2020年)ブワーッとその問題が出てきたじゃん。どんな無関係だった人も関心を持つようになったよね。『あ、やばいんだ』とかさ(笑)。『今ってこういう感じなんだ』って。いろいろなことに対して無関心でいられないんだなっていうことがわかったはず。まだ山羊座のところに冥王星がいるんだけど、2023年くらいに水瓶座に行った時が、わたしは結構勝負だと思う。今一人一人が行動するためのきっかけが生まれているすごく大事な時期だと思うの。このマガジン始めたのも実はそれが理由だったりしてて。他人の悩みって、不思議と自分の悩みを聞いてるように感じる、とは違うんだけど、人のインタビュー記事とか「パーラー四月」とかもそうなんだけど、誰かの悩みを聞いてるはずなのに、自分の悩みみたいに聞こえてくるときない?」
Y「そう、すごくそう思うよ。この前は時間がなくて言えなかったんだけど、牡牛座の思考感覚って、つまり『人の言葉を聞くことによって思考する』ってことなんだよね。だから言語とも、喉とも関係してる。ちなみにまだ小さい子供は、人の話を聞きながら自分の声帯を震わせているんだって。そういうふうに、大人は外の世界に耳をすますことで、内側にある自分の思考を作っていくってことなのかな。ふきこちゃんが言うように、『この人の場合こうだったけど、じゃあわたしはどうなんだろう?』って考えるよね。それは、他者という存在がいないと気づけなかったりすることだから。他者が言葉を投げかけてくれない限り。だから牡牛座のパーラーのあの日は、思考感覚を使う日だったんだろうなって思ってた」
A「思考感覚もそうだし、聴覚、耳を傾ける器官って自分を犠牲にしなきゃいけない部分。水のエレメントが管轄している感覚って蟹が聴覚で、魚が味覚で、蠍が生命感覚なんだけど、耳なり何なり、自分を犠牲にしないと何者とも一体化できないみたいなところを教えてくれる外側じゃなくて内側に耳を傾けて自分と一体化できてるかということを自覚することはすごい大事だと思うし。」
Y「面白いね。だから本当に12感覚をフルに使って生きていることが人間なんだね」
A「そう、それが生きると言うことじゃないかと。。さっきのゆみこさんのZINEのタイトルを引用すると外側っていうのは絶対に自分の内側だから、国、あるいは今の自分の世界に対しての不満っていうのは、今の自分の状態を省みることっていうのを真に理解しなければいけないんだと伝える必要があると思っていて、色んなプロジェクトを進行している。一人一人の意識の粒が変わっていくことがその集合体をより良くしていく唯一の方法だと思う」
Y「うんうん、いいね」
A「だから、このゆみこさんのお話も誰かの意識を照らすきっかけになると思うんだよね」
Y「うん」
A「絶対にそう思っている」
Y「わたしもそう思ってる。ふふふ(笑)本当にね、ここ数年間その確信を持ちつつ何かをするようになってきてる。わたしがすることは、確実に何か良いことにつながるっていう(笑)そういう思いがないとある意味やっていけないしさ」
A「うん」
Y「その意識が大事なんだろうなって」
A「ね。淡の間だから、きくちゆみこさんだから特別じゃなくって、私たちの意識の中にある限りあなたもそうなんだよっていうことをすごく伝えたい」
Y「どんな人の発言も考えもぜんぶ、そういうふうに最後はひとつの場所に集まってく、つながっていくんだよね。みんなわざわざ肉体を持って生まれてきてさ、文章を書いたり、写真を撮ったり、人と向き合ってカウンセリングをしたり…… これまでたくさんの人たちがやってきたことでも、それをわざわざ、あなたがやるっていうこと自体に本当に意味があるっていうね」
A「うんうん、本当そう」
Y「いちいち、わざわざ、大変でもしんどくても、わたしがわたしで何かをすることが、この世界の必然であり、いつのまにか役に立っているっていう感じで、生きていきたいですね」
A「生きていきたいです、本当に。今日の対話が何かのきっかけになったら尚嬉しいですよね」
Y「ね!」
きくちゆみこさん、改めてありがとうございました。
次回の「淡の間とわたし」の更新日は8月上旬を予定しています。