『淡の間とわたし』
第5話
平松モモコさん × 淡の間
淡の間が「いま話を聞いてみたい人」を毎回ゲストに呼び、対談を進めていくマガジン『淡の間とわたし』。
前回に引き続き、雑誌『マーマーマガジン』や書籍のイラストレーションを手掛けている事でおなじみのイラストレーターの平松モモコさんをお迎えして行われたリモート対談の様子をお届け。二人の話題は『健康』『身体』に。淡の間も深く頷いた、モモコさんの実体験、そして不思議体験のエピソードの数々を読者のみなさまにもおすそ分け。決して他人事ではないこのテーマ。ここでしか読めない二人のディープな対談を是非お楽しみくださいませ。
平松モモコさん(M)
淡の間(A)
目次
- 整体との出会い
- 『この子をまず健康にしてあげること』と言ってくれる人が、全国に沢山居たらいいのに
- モモコさんの第二次暗黒期、不眠との戦い
- ある日突然、左の目が見えなくなった
- 停滞していたものが、一気にパーン!となった
- 全てを手放して、まな板の上の鯉になったモモコさん
- 『同じ化粧品って、ずっと使い続けられなくないですか?』
- わたしは治すために生きているわけじゃない
整体との出会い
M「病院にいってもぜんぜん良くならなくて、整体に行ったんですよ。野口整体に」
A「野口整体に行ったんですか!?」
M「そうなんですよ、6年生の時に」
A「えー!!!わたしにとって(※取材当時)ホットなワードの整体!」
M「ほんとですか!」
A「そうなんですよー!なんか友人から勧められて」
M「そうなんだ!それで、野口整体に初めて行った時に、親とかから『学校に行くのが当たり前』『行かなきゃだめ!』とか、そういう圧が凄かったんですけど。整体に行ったら、整体の先生が、まあすごく当たり前のことなんだけど、とてもいいことを言ってくれて」
A「ふんふん」
M「『この子はこんなに身体が、そして体調が悪いんだから、まずは休ませてあげないとだめだよ』ってうちのお母さんに言ったんですよ」
A「先生が?」
M「そう。そしたらうちのお母さんが『あっ、そっか!』ってすごく腑に落ちたみたいで。当たり前のことなのに。『あー、私の育て方とかそういう問題じゃなくて、まずはこの子の身体を見てあげなきゃいけなかったんだ』みたいな。その子の、なんていうのかな…『だからまず体調だな』みたいな風にシフトチェンジしたんですよ」
A「なるほどね。無理矢理行かせるとか、じゃなくて」
M「そうそう。そしてそこから、人生がすごく良い方に行きましたね」
A「それすっごい!」
M「だからもう中学校も『あーいいよいいよ行かなくても、元気だったらOK』みたいになったんですよ」
A「あっそれが『3日しか行かなかった』っていうところに繋がって来るんだ」
M「そうですね。その間まだ体調は万全ではなかったので、なんか物が食べれなかったりとか色々あったんですけど、フリースクールとかいろいろ通ったりしているうちにすごい人間味が戻ってきて」
A「うんうん」
M「その当時はシノラーもしたんですよ!」
A「えっ!」
M「篠原ともえちゃんがすごく好きで、その当時」
A「かわいい!」
M「縄跳びとかで腕輪作ったり、お台場までライブ観に行ったりとか、なんかそういうので元気になりました」
A「アグレッシブ!シノラーのライブに行けるなら調子も上がってますよね」
M「そうそう。ライブも、その時に色々洋服とか、シノラーしたりとか、そういうので開放されましたね」
A「なるほどねー!興味深い!ちなみに、当時は具体的に気をつけて体調を治してたんですか?」
M「まず薬は、それまでは結構お医者とさんかから薬もらって飲んだりしてたのも飲まなくて」
A「うん」
M「でもね、ほとんど整体に通う+嫌なことは絶対にしない、みたいなかんじかな。とにかくその整体の先生が『楽しいってこの子が思えることだけさせて下さい』みたいに言ってて。だからもうとにかく楽しいことだけしかしなかったかな。」
A「それが、絵だったりだったの?」
M「そうですね」
『この子をまず健康にしてあげること』と言ってくれる人が、全国に沢山居たらいいのに
A「わたし、それ、すごい信頼体験だなと思って今聞いてた。なんか結構小、中、高校生の時って無条件に学校に通わなきゃいけないじゃないですか。通わせられるっていうか。で、なんか不登校になったり、その行きたくないって選択肢っていうのがなんかあんまりなんか、ないですよね正直」
M「ない、ない、なかった当時。当時は今よりもっとね…」
A「悪いことじゃないはずなのに、なんかその…行かないと『だめな子』っていうか。そういうレッテルを貼られがちじゃないですか」
M「そうそう」
A「でもそうじゃなくて、『この子がおかしいんじゃない』って、『この子をまず健康にしてあげること』って言ってくれる人が、全国に沢山居たらいいのにってすごく思います」
M「ね、本当にそう思う!」
A「その子がおかしいから強制的にこうするべきとか、例えばお母さんだからこういうことしなきゃいけないとか、男だから女だからもそうなんだけど、何々だからこうしなきゃいけないことなんて何一つないんだけど」
M「そうなんだよね!うんうん」
A「本当は何一つないはずなのに、勝手な思い込みだったり、縛り付けみたいなルールを勝手に設けて首を絞めてる人すごい多いじゃないですか?」
M「うん。そうそう!」
A「ルールから解放される体験が子供のころにあるか大人のころにあるかでも人格形成に大きく影響すると思うんだけどモモコさんにとっては素晴らしい体験ですよね」
M「ですね。なんか自分の中での基盤みたいになってるかも。もうとにかく自分が元気でいられることが大事だなっていう、健やかになれることが1番。それをクリアしてればいいかなみたいなとこがあって」
A「うんうん」
M「ただ、結構それで満足するところがあるんですよ。あっ、元気でいられて幸せだな〜みたいなところで、結構そこでなんか満たされる。」
A「うんうんうん。」
M「結構ね、健康でいるっていうことを大切にし過ぎるところもあるんですよ、そこをちょっと、なんかもうちょっと無理をしても案外平気だったりするのかもしれないけど」
A「いやいやいや、だめだめだめ!」
M「そうなのかな?」
A「そう!人間健康が1番、健康が1番なのに大事なところを蔑ろにしてそれ以上を求めがちなんですよね」
M「そうなんだよねー。ただね、その時が一番の暗黒期でもあるんだけど、ついこないだまでの約10年間もすごい暗黒期だったの。実は」
A「第二次?」
M「第二次暗黒期が来たの!」
モモコさんの第二次暗黒期、不眠との戦い
A「え!第二次暗黒期、なにがあったんですか?」
M「その時はよくわかんないけど、とにかくこの間のパーラーでも喋ったけど、すごい不眠になっちゃったのね」
A「あっ!不眠の時期がそれ(第二次暗黒期)ね!」
M「そう!10年間ほとんどまともに寝れなかったの!」
A「それは大変!」
M「きついでしょ!」
A「うん!超きついです!不眠ってどのレベルの不眠なんですか?」
M「うーん、なんか。ほとんど朝の4時くらいまで眠れなくて。で、まー2時間くらい寝る、みたいな感じかな」
A「あー、明るくなってきたら起きるっていう感じの?」
M「あっ、でも今思い出した。結局寝れてないから、もう一回朝になって疲れてようやく寝れるから、起きるのが11時とかになっちゃうんですよ。それでまた罪悪感が生まれるじゃないですか。それで負のスパイラルに陥って、そしたらたぶん自律神経も狂って、皮膚の調子とかも悪くなって。なんかもうとにかく皮膚が状態悪いと落ち込みません?」
A「落ち込む落ち込む。表面的にでるとより一層落ち込みますよね」
M「そうそう。それがすっごい長く続いたんですよ。それは結構キツかった!」
A「きついね。寝ないとわたし、ほんと体調悪くなります!」
M「そうですよね。で、なんか皮膚も回復しないんですよね。寝ないと結局ね」
A「皮膚科とかいってたんですか?その時」
M「いや、それがさー、これすごい話なんだけど」
A「あはははは。聞かせて~!」
M「いいの?こんな話中心でいいのかな?」
A「いいんだよ!どこにも聞けない話聞かせて下さい!」
M「確かにこれすごいよ!本当に。うん、いや~こんなことが起こるとはっていう。普通の話なんだけど自分の中での価値観が覆った体験!」
A「うんうん」
M「わたし、小学校の頃お医者さんに行って、治らなかったものを整体師に治してもらったじゃない。だから、整体に対して絶大なる信頼を得たわけ。だから西洋医学は本当に怖い!みたいな風に自分の中でなってたんですよ」
A「うんうん」
M「『自然治療が善!』『お医者で治してもらうのが悪!』みたいな。結構はっきり善悪がついちゃってたんですね、自分の中の価値観として」
A 「はいはい」
M「だから皮膚科とか行って薬で治すとか論外だったの!」
A「うんうん」
M「そういう訳で自然治癒で治したいって思ってたけど、ぜんぜん治らなかったの。眠れてないから。で、頑張って整体に通っていたんだけどなんかあんまり好転しなかったのね」
A「へー」
M「とにかくすごいこだわりがあったの。自然治癒で治したい!っていう」
A「ありますよね」
M「そう。尋常じゃないこだわり。完璧主義じゃない?わたしのホロスコープ的にも」
A「うん、うんうん!」
M「だからちょっと、家族から『ちょっとくらい皮膚科いって薬塗ってもいいじゃん』とか言われたんだけど『それは絶対に嫌!』みたいに拒否してて。泣いて反抗するくらいだったのその時」
A「頑として拒否、みたいな」
M「だけどある日…え、でもこれ怖い話になっちゃうかもしれない!」
A「えっ!怖くない!なんでも大丈夫。大丈夫、大丈夫」
ある日突然、左の目が見えなくなった
M「大丈夫かな。あのね、ある日こっち側(左)の目が、白内障になって見えなくなっちゃったの」
A「えー!!!!!!」
M「なんか、白く曇ってきちゃったのね、白内障になっちゃって。もう目が見えなくなったの。こっち側が」
A「そんな…」
M「それが一昨年の話ね」
A「超最近じゃん…」
M「そう。それで整体の先生にさ『あのすいません、こっち側なんか目が見えなくなっちゃったんですけど、どうやって整体で治したらいいんですかね?』みたいな感じで割と楽天的な感じで聞いたんですよ」
A「うんうん」
M「そしたら『あっそれすぐ病院行ったほうがいいね』みたいになって」
A「あはははは!」
M「え?!そんなこと言う?って、びっくりして!わたしは!だってその先生はさ、薬とかもあんまつけるなとか言ってたから、えっ?!って驚いて」
A「うんうん」
M「『あっ、そうですか』って言って病院行ったら、すぐ手術ですってなるわけよ。白内障だからさ。(※お医者さんの診断ではアトピーによる若年性の白内障は多いそうです)」
A「確かに、そりゃそうだ」
M「で、お医者さんが『もうステロイド塗って下さいね』『手術の日までに全部塗って治して来て下さーい』みたいな。『お願いしまーす』みたいな」
A「あはは」
M「『ステロイドって悪い薬じゃないですからねーお願いしまーす』みたいに事務的な感じで言われて。『塗らなきゃダメですよー』って念を押されて。それで皮膚科に行ってその薬を泣きながら塗って
痒み止めみたいなの飲んだのね、その日に。初日にね」
A「はいはい」
M「そしたら、スッコーンって眠れてさ。その日に」
A「あっはっは!(爆笑)めちゃくちゃ面白い」
M「ま、薬飲んだんだから当たり前なんだけどね!」
A「うんうん」
M「スコーンって眠れたし、もうそのステロイドさー…この話題は繊細な問題だからちょっと慎重にお話したいんだよね。大丈夫かな?」
停滞していたものが、一気にパーン!となった
A「大丈夫!超大事!あの、モモコさん、これ本当に大事!!!」
M「大事だよ」
A「自然医療業界に警鐘を鳴らすと思うこれ本当!あのね、何事も人それぞれだし陰陽が大事なんですよ!表裏一体だから」
M「そうだよね」
A「そうそう、さっきの“勝手にルールにとらわれないこと”とも繋がってくるね」
M「そしてね、ばーって薬塗って、寝たのね。そしたらさ、それまで10年近く、皮膚が乾燥したりしてちょっと痛いなって思って、そのせいもあってあんまり眠れなかったんだけど、嘘だったみたいに、もう次の日にツルッツルスベスベになってて!」
A「えー!!!ぶわーってなってた痒みが?」
M「そう。ぶわーっていうかね、わたしの場合はなんか全体的に、例えば重症のアトピーとかそういうのっていうよりは、軽度なアトピーがずっと続いてたって感じなんだよね」
A「へ〜」
M「見た目的には、そんなにすごく人にわかるようなものでもなくて。乾燥肌が全身広がってに酷くなったみたいな感じ」
A「なるほど~」
M「だから、ボディークリームを塗らないと絶対に眠れないみたいな感じだったんですよね」
A「うんうん」
M「寝てても自律神経が狂ってるから体温調節とかもうまく出来なくて、なんかそういう体感的、心理的なストレスもも不眠に繋がってたんだけど」
A「うんうんうん」
M「とにかく、薬を塗ったらもうなんか、どこも痛くない!みたいな」
A「魔法みたいな」
M「そう!なんか、へえっ!?みたいな感じで。顔とかも、10年くらい乾燥肌だったから。色々化粧品とかオーガニックとか、本当に色々試したけどお金ばっかりかかるのに全然効果なくて、今思えばベースの肌が炎症を起こしてる状態だったから、そりゃそうだって話なんだけどね。それがもう皮膚科行って、あ、ここすごく大事なポイントなんだけど、ちゃんと調べて信頼ができるお医者さんを選んだのね。とにかく最先端の治療を教えてくるところを」
A「うんうんうん」
M「そしたら、当然薬の効果で、すごい美肌になって!『えっ!なんかわたし可愛い!しあわせ!』みたいな気持ちで、もう気持ちが、フワ〜ってアガったの!。そこでなんか、停滞していたものが一気にパーン!みたいになって。そこからは大人しく薬塗って、怖かったけど、手術もして、もうこっちの眼球砕いたんだから、わたし!まあ、人が見てもわからないんだけどね」
A「え、今は本当の目?見えてるんですか?」
M「全然見えてる!で、人工レンズ入れるなんて。10年前のわたしだったら信じられないことをしたわけよ、その時に」
A「超すごい…」
M「それしか方法がなかったから。もちろん整体で何年もかけて治す選択はあったとは思うけど。もう充分自然治癒に関しては納得するまで考え抜いて行動して頑張ったし、ここから先は楽しむ時間を過ごしたいです、もう手術します!どんな手段を使ってもわたし元気になります!人生楽しみます!って決めたの。その体験があったおかげですっごい感謝したの、お医者さんや西洋医学に」
A「そりゃ、そうしますわ!」
M「なんかさー、10年間、あんなに自然治癒力を発動しようと頑張っても全然治んなかったのがさ、もちろん治った人も沢山いると思うよ!世の中には。だけどわたしの場合はいろんな要因が重なって全然治らなくて」
A「うん」
M「ほんとになんか、どん詰まりだよ。今思えば…ゆるやかな地獄って感じだった」
A「そうですね。しかも10年って凄くない?もう…!」
M「10年さー、まじで10年返してって思ったわけよ!自分でも!だって一番いい時期だよ!その10年って!ほんとに地を這うような思いでイラストの仕事だけは頑張ってなんとかやってたんだけど。もう本当にその社会生活なんてままならないような状態だったわけ。メンタル的にもそうだし」
A「ねー。そもそも寝ないと力って絶対湧かないしね」
M「そう。運気以前の問題でしょ」
A「そうですね。もう基本生活の要がなんともならない、みたいな」
M「で、それがたった一晩で楽になって、医学の力に衝撃をうけました。『わたしの頑張った10年って何だったんだろう…』って思ったよね。あとは、今まで薬を一切使ってなかったからバキバキに効いたんだと思う」
A「うんうん」
全てを手放して、まな板の上の鯉になったモモコさん
M「で、なんかいろいろ恐れてたわけ。やっぱ薬を使った後の副作用とかね」
A「ありますよねー。その壁を越えた時に何か起こるんじゃないか?みたいなね。それも自分の中での思い込みなんですけど」
M「そう!だけど実際はさ、良くなったらすごい動きまくれるし!副作用を怖がって生活するよりも、毎日、超機嫌よく過ごすほうを選択したらすごい元気になったの!」
A「しかも一昨年っていうかここ2、3年なんですよね!?」
M「本当そう。身を委ねたの。一人で頑張んなきゃ!、自然治癒を自分で発動しなきゃって思って毎日必死で孤独に頑張ってたんだけど、ついに崩壊して、そこからはもう全部お医者さんにお任せしたの。その時に。『もう無理でーす!助けてー!』って」
A「うんうん」
M「こうなったらもうお医者さんのこと信頼しようと思って、全部手放して」
A「うん」
M「まな板の上の鯉みたいな?まな板の上の鯛だか鯉だか忘れたけど…」
A「ふふふ」
M「自分の中で一番大切にして握りしめていた自然治癒という価値観を手放して、煮ても焼いてももうどうにでもしてくれ!みたいな気持ちになったの。もちろんちゃんと色々調べて納得した上でね!その時からまた第二の人生が始まったって感じがする。その後すっごく楽しく過ごせてるし」
A「うんうん」
M「なんかね、ストレスが無くなって、物理的に動いたり出掛けたりできるようになったから、心も体力も回復したし、全身の血の巡りも良くなったと思う」
A「そうですよねー。全ての体力の根本があるかないかって全然違いますよね占いを受ける人とかセラピーを受ける人も、それ自体は悪いことじゃないんだけど、根本が出来上がってない状態で色々上乗せしちゃう人ってすっごく多いんですよね。運気以前の問題で、確認しないといけないところを疎かにして、別の問題に転化しやすいというか」
M「うんうんうん」
A「割といるじゃないですか」
M「うん。いるいる」
A「そして、そういう人に限って、自分の信じた道を盲信しやすいんですよね」
M「わかるよ!その気持ち!0か100かになっちゃうんだよね!」
A「ね、でもわかるんですよ。気持ちはわかるんだけど、いわゆるセカンドオピニオンだったり、人によってはサードオピニオン的なことを求めて視野を広げるの大切じゃないかなって。選択肢を広げることができると楽になるから。もしかしたら今のモモコさんの話って幼少期の時のお母さんと同じで、『この子を学校に行かせなきゃ!』みたいな思いに囚われていたのかも」
M「そう。ほんとにそうよね、だから何かを盲信したり、0か100みたいな考え方ってほんとに危険だなって。その10年間とか、子供のころの体験からすごく思った。むしろ0か100の間をどうしていくかが一番大事なんだよね」
A「すごいですねー!」
M「すごいでしょ。あんなに救われたもののおかげでさ、元気になったんだけど、まさか今度はあまりにもそこを盲信し過ぎたせいで体調不良になるとはね。まあ別に10年間無駄にしたとは言わないけど」
A「うんうん」
M「わたしはたぶん完璧主義だったからさ、それくらいまでどん詰まんないと、西洋医学を選択出来なかったんだと思う。でもね、すごくいい体験だったなって思う。これでさ、例えばそういう病気の人がいた時に、なんか無責任に『自然に治すのがいい』とか『医者に行ったほうがいい』とか、それはほんとに適当には言えないなって思った。どっちも」
A「わかる。ほんとそう。結構それが危険なんですよね」
M 「そう!正解なんてないし、それぞれの正解を自分で体験して作っていくしかないんだよね」
A「良いも悪いもないんだってわたしすごい思うんですけど、たとえば西洋(医学による治療)がずっとどん詰まりでも東洋(医学による治療)で治ったって人もいるじゃないですか?」
M「いるいるいる!」
A「逆パターンとして両方とも有り得る」
M「一回目のわたしがそうだったしね」
A「それがただ、ただそれが体にあってたってだけで」
M「そう、その時の心や身体の状態やタイミングで必要な方法も変わってくるし、見極めも大切!」
『同じ化粧品って、ずっと使い続けられなくないですか?』
A「ただやっぱり、人間の身体とか精神って成長していくし変わっていくし、その時々」
M「波があるしね」
A「そうそう。合うものって違って当然。味覚が変わったり、好きな食べもの、そりゃブームだったり、化粧品が合う合わないとかもあるじゃないですか。なんか化粧品ってずっと使い続けられなくないですか?」
M「わかる。あんまり使い続けられない」
A「なんか定期的に買い換えないと、効かなくなりません?」
M「うんうん。なるなる〜」
A「わたしはそうなんですけど、自分も自分の細胞も日々変化してるんだから、ずっと変わらないでいることっていい意味で不可能なんだから、変化にポジティブに適応していくことってすごく大切ですよね」
M「ほんとだよね」
A「わたしはたまたま肉、魚を食べれなくなったからなんとなくヴィーガンやってたけど、近頃健康にいろいろ影響が出始めたのをきっかけに魚を解禁したりしてるんですけど」
M「うんうん」
A「何というか、優先するべきは、命に勝ることってないですよね…」
M「ねー!」
A「動物愛護の視点からベジタリアンになったわけじゃないから別に、あっそうなんだ、体の調子がやばいならすぐに食べて何とかしますって素直に行動できたんですけど、もともと肉や魚は急に食べられなくなってしまったから苦手な食べ物みたいな位置付けだったので練習が必要でした」
M「うんうん、そうだよね。食べれなくなっちゃったんだもんね」
A「そうそう。でも結構熱心な動物愛護の人とかヴィーガン、ベジタリアンの人って、視野が狭くなりがちじゃないですか。みんながみんなではないですが」
M「うんうん」
A「おそらく自然療法愛好家の人とかも、動物愛護をしている自分を崩したくない、自然療法を専門にしている自分を崩したくない、みたいにいざとなったときに体調よりも体裁で考えてしまうところがあるっていうか」
M「そう。頭でね」
A「それって結構危険ですよね~」
M「自分の体の声を無視しちゃうんだよね。思考が強くなり過ぎて」
A「そうそう。そういう意味ではこだわりすぎて本末転倒になっちゃってる人って結構いるのかもしれない」
M「あー、いると思う、なにかを疑ってばかりもいけないけど、なにかを信じ過ぎてることにも気付かないと怖いねーやっぱね。」
A「怖い、怖い。去年ちょっと興味があってファスティングの勉強を受けてみた時があったんですけど、その時も、健康に気を使う人ほど病気になりやすいって話してて。自分の体を大切にしてるとかこうしなきゃいけないと思うあまりのストレスや負荷が結果的に病気になったりする。だから何の縛りもなくジャンクフードやハンバーガーみたいなのを食べている人のほうが大往生したりするじゃないですか、なんかぽっくり」
M「うん。ステーキ肉食べてるおばあちゃんとかね」
A「そそそ!かっこいいですよねその、うん」
M「うん、かっこいい」
A「エピキュリアン的な感じで生きていきたい。食事をして幸せとか、生活をして幸せっていうことを自分の感覚で選択することが第一前提であるって感じ」
わたしは治すために生きているわけじゃない
M「ほんとにそう!わたしね、この10年間で実感したことは『わたし治すために生きてるんじゃないし!』って思ったんですよ。なんか、なんて言うのかな…治すために生きてたんですよ、その10年は。自分がやりたい事とか考えられなくて、体調が悪すぎて。でも、生きるってそういうことじゃないよなって思って。楽しむために生まれてきたのに全然楽しくもない、身体を一生懸命治そう治そう!って思って、そのことばっかり。自然治癒!自然療法!って思って生きて、それで人生終わったら超悲しいって思って」
A「うーん」
M「だったら、やりたい事があるんだったら、ほんとに薬…まあそのお医者さんは選んだほうがいいけどね。これはほんと。信頼できるお医者さんに行って、それは足を運んで体験するしかないんだけどそういうお医者さんを見つけて、整体師でもいいし」
A「うんうん」
M「それでちゃんと、『いま』自分が楽しく生きていく!ってことを中心にしなきゃだめだなって、すごく反省した」
A「うーん!なるほど」
M「でも結構長年調子の悪い人はそういう風に『治すために生きてる』みたいになってる人も多いかもしれないからさ。良くなるんだったらなんでもいいや!くらいに思っちゃったのよ。もうその時は。手術もあったから」
A「うんうん」
M「でもそれですごく視野が開けたからね」
A「手遅れにならなくて本当に良かった」
M「まーある種、手遅れだったんだけどね。ははは」
A「確かにそうですよね(笑)」
M「そう。そんな風になる前にさ、どうにかすれば良かったんだけど。まあまあでもそう、でもわかんない、ホロスコープ的にも、もしかしたらその10年はなんかあったのかもねもしかしたら。わかんないけど」
A「でも、これまでの10年があったからこそ、モモコさんの中でのなにか一つ、『盲信してはいけない』っていう格言的な経験ができたじゃないですか?」
M「できた!」
A「それがベースにあるからこそ、いまの課題である“珍味潰し“っていうのも生きてくるかもしれない。確かにあの時もあの時もこうだったよな、みたいな」
M「そうそうそう、そうだね。珍妙潰しすら喜びみたいな感じかも。もう。10年間に比べたら、全部が」
A「今は、ね」
M「だから結構わたし、人生で振り返ると、小学校の6年間が暗黒で、その後ずっとわあ楽しい〜みたいになったんですよ。で、またそういう風に生きてたんだけど、そのここ10年間くらいがそうなって、そして今またわあ楽しい〜みたいになってて」
A「うーん」
M「なんか癖はあるのかもしれないですね、そういうね」
A「うんうん」
M「ホロスコープ?わかんない。バイオリズムとか?」
A「バイオリズムね。いや、でもさ、ほんとああいう方法じゃないとだめとか、こういうものしかうけいれないとか…あるじゃないですか?」
M「うんうん呪いみたいな刷り込みね」
A「あなたにそのやり方があってるかどうかは試してみないとわからないのにって、試すまえに概念を盲信してしまうがゆえにチャンスを逃しちゃうのってすごいもったいないですよね…」
M「ほんとそうよ!ほんとそう。身を持って感じるもん」
A「今後の水瓶座時代とか、風の時代とかいうけれど、本当の意味で自分の視野を広げたりしないことには、時代に乗っかれない。自分自身のアップデートが必要ですよね。『あの時の自分はこうだったけど今は確実に違うよ、臨機応変に選択できます』っていうスタンスでいないといけないよね!ってすごく思います」
M「ねー!そうなんだよ。だからさー、時代とかもあるけど、なんか…体験に勝るものないですもんねやっぱり。意識のアップデート」
A「これ!ほーんと体験に勝るものなしですよ!」
M「ねー!」
A「どんな知識とか学術書とか一人歩きしてても、自分の腑に落ちなかったらそこまでですよね」
M「そう、ほんとそう!もうネットにも載ってないから。そういう情報は」
A「載ってない!ネットには絶対載ってないですね!」
M「ね!うんうん」
A「実体験。だから本当の情報って、お金を出したり」
M「そうそうそう、確かに」
A「必要なことっていうのは、自分の足、体験だったり、お金を出して得るもの。それなのに本物を手に入れるための手間すら面倒くさがる人多いじゃないですか。無料ってか、安価が当然過ぎて価値の基準が麻痺してるそれがいわゆるデフレーションだとか、文化の衰退とかになってくるんだと思うんですけど。大きなことじゃなくても、小さな一つ一つの選択で自分のことを豊かに変えられるんですよね。豊かにというか、自分の生活をより良くすること」
M「そうだねー。自分に厳しくするのと自分に優しくするのって、その塩梅がほんと難しいですよね、なんて言うのかな?」
A「ふんふん」
M「自分で取り組むことと、委ねることのバランスってなかなか難しい!」 A「確かに。体験に勝るものは無し!これ今日のまとめですね。その思いを念頭に置いておけば、これからのモモコさんの挑戦もすごく楽しみじゃないですか?」
M「そうですね、偏り過ぎずってことですよね」
A「とりあえず色々トライできそうですよね」
M「そうだね。だって、ふきこさんがホロスコープ見てくれた時、『え?なんでこのホロスコープなのにこんなに動いてないんですか?』みたいなさ。ははは(笑)まあ裏にはそういうことがあったってことなんだよね、要は」
A「やっとなんかわかった気がする。なんかここまで聞き出せなかったですよね、あの時。この1年間のわたしとモモコさんなりの距離の詰め方があって、やっとここで裏付けを話してくれたような気がします。」
M「ねー」
A「勉強になりました。ありがとうございます」
M「ありがとうございます!」
第6話に続く。
(次回更新予定日 : 8月28日)