2022年3月21日午前0時33分頃、太陽が魚座から牡羊座に入室して春分を迎えました。
西洋占星術の概念上で、太陽と言う自我の象徴が成長過程を一周して牡羊座に戻ってくるという様子にちなんで「占星術上での新しい一年の始まり」を表すのがこの日。
太陽が牡羊座に入室した瞬間の星図を「春分図」とし、まずは夏至までの約3ヶ月間の流れを読んでいきましょう。
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先日18日の満月考察から続く、新しい季節に向けたメッセージ。
春分時の日本時間で、1ハウス(アイデンティティ)は射手座にあり、支配星は魚座のもと3ハウスで水星と合。
この数年間の世界的な疫病の流行によって思うように身動きができず、押し込められたような心地がしていた人にとっては朗報です。
3月〜6月にかけて、ご無沙汰していた「遠距離の旅行」の気配が活発になるかもしれません。この数年間、夢にまでみた場所やインスピレーション、直感でビビッと感じた場所への縁があなたを新しい領域へ連れて行ってくれるかもしれません。
キーワードは「長距離の移動」「視野の拡大」「新しい世界への扉を開くこと」。
県外への移動を伴う長距離の引越しがすでに計画の中にある方も多いかも?
(※一方で、戦争による移民の入出を国内で受け入れるにあたり、準備が追い付かずに混乱を招く気配もありそう)
旅行を含む移動など、4月のうちに旅行先を探したり計画を立てておくのも良いです。
5月10日〜6月3日までは今年初めての水星逆行が。
双子座(移動・情報)から牡牛座(資産・所有)の星座を跨いでいくことから、この時期の契約ごとや移動は十分用心してください。
水星逆行時は「何かを行わない方が良い」とは思いませんが、どうしても気をつけていたって発生してしまうトラブルもあります。
4月29日までの前天体順行期間のうちに、今年の大きい流れが把握できている人は様々なことを大方整理しておくのが良さそうです。
人によっては、12年前の自分が叶えられなかった夢への挑戦、またはようやくたどり着いた目標・目指す真意に向けての専門的な学びがスタートする気配もあります。
射手座の示す世界は、物理的にも精神的にも広がっていく哲学的探究や、意識領域全般を示します。
旅行を伴う遠距離の移動だけではなく、教養を広げてくれる学びにもご縁が。
大学など専門教育での学習、哲学・宗教分野、出版、外国語、海外に向けた分野など、人それぞれの方向に違いはあれども「未だ見ぬ領域への挑戦」が始まりそうです。
「見えない不明瞭なこと」に対して意識が集中しやすい魚座木星シーズンがピークの現在、あらゆる情報が錯綜したり、ネット社会における情報の混沌とした状態に惑わされてはいないでしょうか。あまりにも浮き足だったトピックや現実離れしたこと、陶酔しやすいような地に足のついていない情報の取り扱いには要注意してください。
現実逃避を求めている人、現状から脱却する方法を求める人ほど注視すべきです。
意欲があっても空回りしたり、あまりにも果てしない目的の前に尻凄みしてしまったり、あるいは一時的な勢いに飲まれて始めてみたものの、熱し易く冷め易い現象で即終了・・・となる前に方向性や計画を整理してみましょう。
まずは紙に取り止めもないことを箇条書きしてみるだけでも頭が整理されるものです。
太陽が牡羊座に入ったとは言え、3ハウス(思考、意識、流れ)のなかに魚座の天体たちが集合している様子から、まだまだ意識にモヤがかかっていたり、これまで表在化していなかった問題が浮上していたり、気持ちが明るくならない人もいるかもしれません。
目に見えない不明瞭なことが広がる(木星×海王星)ことで、一時的に体調の悪化などが表に出てきやすい時期でもあります。2019年の年末から始まった異常事態に対し、無意識に体と心に負担がかかっていた人も少なくないでしょうから、ふとしたきっかけでため込んでいたものが噴出しても無理のない状況なのです。決して自分を責めず、体や心のサインを受け止めてあげましょう。
なんとなく不安なこと、明確ではないけれど気にかかることがあれば今のうちに出来る限りの対策を。
かかりつけの病院を変更するきっかけになるセカンド、サードオピニオンに繋がったり、
体質の遺伝子検査をしてみたり、悩みが具体的に整理できない人はカウンセラーに話を聞いてもらうことも良いかもしれません。
自分の心身のケアについて悩んでいた人にとってはかかり付けのお医者さんやセラピスト、自分のケア方法を見つける良いきっかけにも。
5月11日には木星が牡羊座に移行し、好奇心の種が本格的に芽吹き始めます。
この約数ヶ月、あるいは年末年始から低空飛行をしていた状況が、ようやく表面化していく時です。
牡羊座というモチーフから連想されるのは、生まれたばかりの赤子や物心のつかない子どもから発されるような純粋な欲求のこと。
「やってみたい」「行ってみたい」「ワクワクする」「まだ知らないことを知りたい」
この素直な気持ちが何より大切で、それこそがあなたを混沌とした意識の海から救い出してくれる一筋の光になるでしょう。
現在はカイロン(傷ついたコンプレックス)も牡羊座に滞在している影響から、
現状を打破するための純粋な行動力が功を奏する場面が多く訪れるかもしれません。
または、自分がこんなにも臆病だったことを知るきっかけに立ち会うことも。
失敗を恐れる臆病さを乗り越えれば、まだ見ぬ自分の別な側面に出会うためのきっかけが生まれ、それらが成功体験となり自然と気持ちも弾んできます。
まずは忘れかけていた純粋な気持ちを大切にしてあげてください。
重要なトピックが起こりやすいのは4月12〜15日にかけて。
主要な天体が、いくつかのヨードという特殊なアスペクトを形成しながら動いていく時期です。
神の指、逃げられぬ宿命とも言われるアスペクト・ヨードの影響で、私たちは歴史的な時代の変化、社会の仕組みが大きく転換していく生き証人になるかもしれません。
あるいは、個人の運命において「終わり良ければ全て良し」とも言えるような、ある一つの引き際に立ち会うことも。
また、今年のゴールデンウィークからの数日間は太陽と天王星がコンジャンクションしながらグランドクロスを形成していきます。
これまで動きづらかったこと、腰が重くなかなか進展しなかったことが意地でも動かされるような葛藤や大変化とも言えることが起こりやすい時期とも言えます。
断定はできませんが、この時期の災害などにも用心です。
具体的な対策は今まで手を回しきれなかった自宅の災害グッズを見直したり家の中の免震・災害対策をしておくなど。
肝心なことは「分かっていても後回しにしていたこと」が要チェックポイントになります。
天変地異とは、予測もなくいきなり現れます。
少々語弊が伴うかもしれませんが、この時期に個人の人生における「天変地異的な出来事」が起こりやすいかもしれません。該当星座の人は牡牛座・蠍座・獅子座・水瓶座、これらの星座的性質がホロスコープの中において大きく影響を受けている人。(太陽、年齢域天体、プログレス天体、ASC、MCなど)
その他、1991年〜1993年生まれのサターンリターン世代など。
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今回の春分図において、水瓶座の金星と牡牛座の天王星が「ミューチュアル・レセプション」という支配星の交換配置をしていることにも注目してみます。
ミューチュアル・レセプション(支配星の交換配置)とは、双方の天体の支配星が交換位置に配置されることでその効果が相乗効果になることを指す占星術の専門用語です。
この度はそれだけに及ばず、90度(スクエア)という葛藤による成長促進作用が加わる影響も現れます。
例えばそれは、社会問題における形骸化された「多様性、SDGs」など一種のブームやアクセサリーのようになってしまった概念に対する意識の補修や見直し、社会問題に対する本質的な対策につながる問題の投げかけ、あらゆるシステムの近代的改善、資産形成への意識の高まりなど。
喜びや豊さを感じる対象が、まさかの方向に変化していく人も。
豊かさの真意や、意識が変わっていく。
あるいは、ずっとずっと続いていた嗜好が変化したりするようなこと。
「不動宮」という、この世の形作ると言われる星座の間で発生する作用ですから、少々責任の伴うトピックであることには違いありませんが、あらゆる制限を超えていく(天王星)喜び(金星)が広がっていくようなことや、個人の力が社会をも動かす大きな力を秘めていると、改めて実感するような出来事を体験するかもしれません。
これからの時代は、良くも悪くもテクノロジーと情報を制するものが人生をも制する時代です。
誰もが情報を得られる社会となった今、その情報をどのように取捨選択するかは個人の裁量にかかっており、それらを精査するための知性が必要とも言えます。
世界中の様々なことが調べればすぐにわかる、世界中どこにいても繋がることができる利便さの裏側で情報の質も問われていく。
知性や教養の土台を作ることは自らの身を守ることです。
世界で起こっていることを自分で知理、学ぶことが最低限の自衛にもつながるのです。
「世界の現状」を知ることで生まれた疑問や学びが一人一人の意識を変え、社会構造の変革にもつながって行く。私たち一人一人に与えられた人権は社会を変える力にもつながっています。
一人ひとりの世界を広げるきっかけがなるべく正しく意味のあるものにつながるよう、私も未熟ながら発信側としての大きな責任を担っていることを改めて認識しています。
まずはこの春分にて、頭の中に広がる取り止めもないインスピレーションを整理して、具現化するための一歩を踏み出せますよう。
2022年春分 淡の間